【コラム】ホストクラブの売掛金の時効について

 

 皆さま、当サイトにご訪問いただきましてありがとうございます。

 

 本日は、ホストクラブでの売掛金の時効についてお話いたします。

 

 通常、債権については10年間で時効にかかるとされておりますが、ホストクラブでの売掛金については特別の規定があり、1年間で時効にかかるとされています。

 以下の条文の四号ですね。

 

第百七十四条 次に掲げる債権は、一年間行使しないときは、消滅する。

一 省略

二 省略

三 省略

四 旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の宿泊料、飲食料、席料、入場料、消費物の代価又は立替金に係る債権

五 省略

 

 ホストクラブでの売掛金は「飲食料」に該当するというわけです。

 

 もっとも、時効期間が経過したらどんな場合でも支払わなくて良いのかというと、実は落とし穴があります。

 

 まず、時効は援用(時効を主張する)しなければなりません。

 基本的には、担当ホストやホストクラブが支払義務を負う時点から1年間が経過した後に請求してきたときに「いや、時効だから、時効を援用します」と対応することになります。

 もちろん後で言った言わないの言い争いにならないよう、書面(内容証明郵便など日付や内容が争いなく証明できる方法)で時効の援用をすべきでしょう。

 

 次に、時効期間経過前に一部金額を支払ったり、支払義務を認めるような言動があると(例えば、担当ホストから売掛金○○円の支払いを請求され「ちゃんと払うよ」などとメールやLINEなどで回答しているとき)、債務の承認に該当し、時効が中断(時効の完成のためには再度、1年間の経過を要する)してしまうため、時効を援用できなくなってしまいます。

 

 さらに、時効期間経過後においても、一部金額を支払ったり、支払義務を認めるような言動があると、時効の援用が認められない可能性があります。

 これは、時効が完成していることを「知って」上記のような支払をした場合には時効の利益を放棄したとされ時効の援用ができなくなりますし、時効が完成をしていることを「知らずに」一定金額を支払ったりしたときには「信義則」により時効の援用権を喪失するとされています。

 まとめると、時効期間の経過後において、時効の完成を知っていたときは当然、知らなかったときにも、時効の援用ができなくなる場合があるということです。

 

 若干細かい話をしましたが、1年間という短期の消滅時効は、担当ホストやホストクラブにとっては厄介なものと言わざるを得ないものです。

 他方、我々にとっては有力な防御方法となります。

 

 そのため、担当ホストやホストクラブは、時効の主張をされないよう、様々な工夫をこらしています。

 借用書を作成させたり、事あるごとにメールやLINEなどで支払義務を確認させたりしています。

 

 実際に飲食をした代金であれば、もちろん支払義務を負うものであることは間違いありませんが、時効という法的に認められた権利を行使できるのであれば、行使しない手はありません。

 かなり前の売掛金について請求を受けているという方がいらっしゃいましたら、担当ホストやホストクラブとのやり取りをする前に弊所にご相談ください。

 時効の援用によって支払いを拒むことが出来る可能性があります。

 

 弊所では無料相談を365日24時間受け付けております(待機している弁護士の都合が合えば、早朝や夜中でも直ちに無料相談をお受けすることが出来る場合がございます。)。 

 またLINEでの相談も可能ですので、少しでもご不安な点があればご連絡ください。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

弁護士直通電話番号
電話番号リンク 問い合わせバナー