・どのようなトラブルがあるか
・その時の対応をどうすればよかったか
・今後被害に遭わないようにするためにはどうすればいいのか
といった点について解説いたします。
目次
初めに
弊所では、風俗店とのトラブルについて数多くのご相談をいただいております。その中でも、利用料金でのトラブルは、あまり高額でないことが多く、すでに支払ってしまったというお話を多くいただきます。それでは、被害に遭った際の対応と、これから被害に遭わないための予防策についてご説明いたします。
事例の紹介
まずは、どのような被害のご相談があったか、紹介いたします。もし被害に遭われた方であれば、ご自身の場合とどう違ったのか比較してみてください。
このお金は払わなければならないの?
こういった悪質店の手口では、サイトの誰も見ないようなページに小さく「別途入会金とサービス料が発生いたします」などと記載されていることが多々あります。相手方は「書いてあるのに読まないほうが悪い」とサイトに記載されていることを盾に請求をしてきます。
このような悪質風俗店のやり口は、不当景品類及び不当表示防止法(景表法)第5条第2号の違反となる場合がございます。また、電話で料金の確認を行ったうえでその料金と違う料金を請求された場合には消費者契約法第4条1号の違反となる場合がございます。ただ、相手方も違反にならないギリギリのところを狙っていることもあり、すべての状況が直ちに違法と言えるかは判断が難しいところです。
(不当な表示の禁止)
第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
どう対応するべきか
それでは、実際にこのような状況になってしまった場合の対応について、既に支払ってしまった場合と、まだ支払いをされていない場合(一部だけ支払い残りを後日払うと言った場合)に分けて解説いたします。
既に支払いをされてしまった場合
前述した通り、相手方のやり方が違法となれば、法的には返金の請求を求めることが可能ですが、実際には以下のような問題点が出てくるでしょう。
- 違法かどうかの判断がむずかしいこと
- 相手方は普通に交渉してもまず支払ってくれないため、訴訟を起こさなければならず、訴訟を起こすまでのハードルが高いこと
- 仮に訴訟をして、勝訴したとしても逃げられてしまうこともあり、回収の可能性が高くないこと
- 被害額が数万円~高くて20万程であり、訴訟する金額としては低額となる。弁護士費用を考えると経済的なメリットがほとんどなく、弁護士に依頼することが難しいこと
まだ支払いをされていない場合
まだ支払いをされていない方は、これ以上の支払いをせずに済むかもしれません。上述のように、請求額が低額であるため、訴訟を起こすのにハードルがあるのは、相手にとっても同様です。後日払うよう言われていた場合でも、無視してしまえば相手はそれ以上手が出せず、支払いをせずに済んだという事例も聞いております。
被害に遭わないために
ここまでお伝えした通り実際に被害に遭ってしまうと、その被害を回復することが難しいといえます。そのため、被害に遭わないように事前に対策することが大切になります。どのような点に注意すべきかを解説いたします。
サイトをしっかり見る
料金トラブルの際には、誰も見ないようなページに細かい字がたくさん書いてあり、本番行為の禁止などとともに、、入会金などがかかると記載されていることが多々あります。被害に遭わないために、誰も見ないようなところこそ、一読してみてください。
電話での確認
風俗店の予約をする際に「総額いくらですか?」「○○○○円以上の金額が発生しますか?」など、料金の確認を行ってください。
この料金の確認までは多くの方がされていらっしゃるのですが、注意すべき点がございます。実際には風俗店側は「記載の通りですよ」とはぐらかすなど、しっかり了承しない場合があるのです。
明確な回答を得られない場合は、どんなに素敵なキャストがいてもその店舗を利用しないことをお勧めします。また、了承が得られた場合でも後々トラブルが起きないように録音するなど対策をしておいてください。
それでも不当に請求されてしまったら
ここまで対策したうえでも、不当な請求をされてしまう場合もございます。その際には、まず警察を呼んでいただき(民事不介入ですが身の安全のため)、録音など証拠がある旨を明かしたうえで、請求があれば裁判を起こしてくださいと相手の要求を拒否するようにしてください。
最後に
いかがだったでしょうか。このような事例の場合では弁護士としてお力になれる場合は少ないので、ご自分の身は自分で守れるよう、しっかりと対策をしたうえで、ナイトライフをお楽しみください。
このような状況から、更に法外な金額を請求される、脅迫やまずご自身では対応できない、といった状況がおありでしたら弊所までご相談ください。