男性から私の写真を拡散すると脅された!どうしたらいい?弁護士が徹底解説

・マッチングアプリで知り合った男性に送った写真を拡散すると脅された…?
・家族には相談できない・・・
・警察は動いてくれるだろうか?
この記事では,これらの疑問や悩みを,男女トラブルに強い弁護士が解消していきます。この記事を最後まで読むことで,相手の強迫行為に対して成立しうる犯罪脅迫された場合の対処法を知ることができます。

成立しうる犯罪

拡散すると脅した場合の刑事罰についての画像

脅迫罪

生命,身体,自由,名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した場合には,脅迫罪が成立します。
裸の写真を拡散するなどと脅す行為は,人の名誉に対し害を加える旨を告知するものとして脅迫罪になり得ます。
脅迫罪の法定刑は,2年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。

強要罪

生命,身体,自由,名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫し,又は暴行を用いて,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した場合には,強要罪が成立します。
会ってくれないなら裸の写真を拡散するなどと脅す行為は,人の名誉に対し害を加える旨を告知したうえ,義務のない行為(上記例であれば,「会う」という行為)を行わせようとするものであり,強要罪になり得ます。強要罪は,未遂でも処罰の対象になります。
強要罪の法定刑は,3年以下の懲役です。

恐喝罪

人を恐喝して財物を交付させた場合及び人を恐喝して財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた場合には,恐喝罪が成立します。恐喝とは,暴行又は脅迫により被害者を畏怖させることをいい,それは財物又は財産上の利益の交付に向けられたものでなければなりません。
〇円払ってくれないなら裸の写真を拡散するなどと脅す行為は,人の名誉に対し害を加える旨を告知したうえ,財物を交付させようとするものであり,恐喝罪になり得ます。
恐喝罪の法定刑は,10年以下の懲役です。

ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)違反

「つきまとい等」(同法2条1項)の行為を行う場合には,ストーカー規制法違反となります。
「つきまとい等」の行為には,待ち伏せや住居に押し掛ける等物理的に接近する行為のみではなく,連続して電話をかけたり,メールを送信する等の行為も含まれます。
そのため,こちらが拒んでいるにもかかわらず,何度も電話やメール等で連絡を取ろうとしてきた場合には,ストーカー規制法違反となり得ます。
「つきまとい等」の行為がなされた場合、被害者からの申し出により、警察から警告(同法4条)や禁止命令等(法5条)が出されることもあります。
「つきまとい等」の行為が繰り返された場合には、「ストーカー行為」(同法2条4項)に当たり得ます。
「ストーカー行為」の法定刑は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(禁止命令等に違反して「ストーカー行為」をした場合には、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金)です。

リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)違反

「私事性的画像記録」とは、性交又は成功類似行為に係る人の姿態が撮影された電磁的記録等(撮影対象者において、第三者が閲覧すること認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影をしたものを除く。)をいいます(同法2条1項)。
撮影対象者の同意を得ることなく性的な動画等のデータを拡散させるような行為を行えば、リベンジポルノ規制法違反となり得ます。
法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金(拡散させる等の目的で、電気通信回線を通じて上記データを提供したような場合には、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金)です。

慰謝料の相場

慰謝料の相場についての説明画像

慰謝料とは、精神的苦痛に対する賠償のことをいいます。
一口に写真等を拡散すると脅迫されたような事案といっても、LINE等で伝えられたにとどまる場合や自宅等で待ち伏せされて直接言われた場合等、その方法や悪質の程度は様々ですので、相場として金額を示すことは困難ですが、数万円程度にから数十万円程度にとどまるものが多いと思われます。そのため、弁護士に依頼した場合経済的に見合わない事例もあります。
もっとも、悪質なストーカー行為が認定されたような場合やリベンジポルノの事案では、数百万円の賠償を認めた裁判例もありますので、お困りの方は弁護士へご相談ください。

対処法

対処法についての説明画像

自分で対処する場合

無視する、やめるように明確に伝える等自分だけで対処することも可能です。
もっとも、相手が、こちらと連絡が取れるまで脅しをやめなかったり、こちらが反応するだけで喜ぶような方だった場合には、この方法では治りません。
トラブルになるような相手の場合、ご自身で対処することは困難な場合が多いです。

警察に相談する

脅迫罪等が成立する場合、被害者から被害届を受理し、警察が捜査を開始し、相手方へ警告等を行うこともあります。
抑止力という点では、捜査機関が対処してくれる場合が最も強力です。
しかし、警察は腰が重い場合が多く、実際に対処してくれるかどうかは、実際に相談を担当した警察官の判断によりますので、対処してくれない場合も相当数あります。

弁護士に相談する

警察が対処してくれない場合でも、弁護士に依頼した場合には、すぐに介入してくれますまた、当事者が警告等を行う場合より、第三者かつ法律の専門家が行う場合の方が抑止力は高いといえます。
弁護士費用は弁護士により異なりますので、弁護士への依頼を検討される方は、ご相談ください。

まとめ

マッチングアプリの利用者が増えたことで、近年相手から写真を拡散する等と脅される事例が急増し、弊所でも、このようなご相談を多数受けております。
このような事例に巻き込まれた場合、ご自身で対処することは困難ですので、お一人で悩まずに警察や法律の専門家である弁護士へご相談ください。

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