女性から脅迫された場合

パパ活に潜むリスク

 

パパ活では、一般的に男性が、若い女性と食事やお茶をともにする対価としてお金を支払います。パパ活において、「若い女性と時間を過ごしたい」という男性側のニーズと、「お金がほしい」という女性のニーズがうまく一致していれば、健全な関係を築けることもあるでしょう。

 

他方でパパ活と称して男性を募る女性の中には、自身と過ごす時間を提供するという対価の提供以外の方法で、金銭をむしり取ろうとする者もいます。

 

たとえば、パパ活として実際に会った際に、女性が男性の顔写真や実名等の個人情報を入手し、「(男性が)パパ活をしていることを公にされたくなければ、お金を払え」とゆすってくるという悪質な手口があります。

 

このような行為は、何らかの犯罪にあたるのでしょうか。また、ゆすりをかけられた場合には、どのように対応すればよいのでしょうか。

恐喝罪が成立する可能性

 

上記のような金銭の要求行為には、恐喝罪(刑法第249条)が成立する可能性があります。すなわち、人を脅迫することによって金銭を交付させる行為には、恐喝罪が成立するのです。仮に、脅迫を受けても金銭を交付しなかった場合には、恐喝未遂罪が成立し得ます。



恐喝

第二百四十九条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。


誰に相談すべき?

 

では、パパ活をしていることを周りにばらすといって脅迫され、金銭を奪われてしまった場合には、誰に相談すべきでしょうか。

警察
 

先述のとおり、脅迫によって金銭を交付させる行為は、恐喝罪に該当する犯罪行為ですので、警察に相談し、その指示に従ってください。仮に加害者(女性側)の氏名や住所等の情報が分からなくても。携帯電話番号や、金銭の振込先として指定された銀行口座の情報から、加害者を特定することができる場合があります。また、被害者がまだ金銭を交付していない場合には、加害者に会って直接支払うと申し出て、加害者がお金を受け取った時点で現行犯逮捕するという前例もあります。

弁護士
 

刑法上の犯罪に該当する行為の多くは、民法上の不法行為(民法第709条)に該当します。不法行為に該当する場合、加害者に対して損害賠償請求をすることができます。

 

被害者を脅迫して金銭を交付させる行為はまさに不法行為に該当します。支払ってしまった金銭を取り戻すためには、上記の損害賠償請求をすることが必要になります。この手続きについては、民法を含む法律についての専門的な知識が必要となるので、弁護士に相談しましょう。

まとめ

 

パパ活は、両当事者がお互いの素性をよく知らないまま、まずは会ってみる、ということも少なくありません。そのため、中にはその匿名性を利用して違法な行為をたくらむ人は、男性側、女性側問わず存在します。パパ活に潜むリスクをよく把握した上で、極力安全に行うようにしましょう。