パパ活サイトでの出会いで慰謝料が発生するか
パパ活には危険が多い
昨今、若い女性の間で「パパ活」という方法でお小遣いを稼ぐことが流行しています。
パパ活とは、一般的に若い女性が、相手の男性(パパ)とともに食事をしたり、お茶をしたりするなどの時間を提供する対価として、その男性から金銭を受け取る行為です。男女の関係を利用してのお金稼ぎですが、肉体関係を伴いません(肉体関係との対価に金銭を受け取る行為は売春です)。
パパ活の当事者は、通常、周りに知られないようにパパ活を行います。パパ活は、デートクラブや、マッチングアプリ、SNS等を通じて相手を見つけることが多いです。当事者は、匿名あるいはニックネームを利用しており、互いの個人情報(本名、住所、連絡先等)を一切またはほとんど知らないということも多くあります。
そのため、中には身分を秘してパパ活を行ったり、パパ活目的と称して別の目的で接触をしようとしたりする人がいて、場合によっては深刻なトラブルに巻き込まれることがあります。
今回は、パパ活のトラブルのうち、慰謝料請求という問題に焦点を当てて検討していきます。
女性側から男性側への慰謝料請求
まず、パパ活をする女性側から男性側(パパ)に対して慰謝料を請求されることがありうるのでしょうか。
上記のとおり、パパ活は肉体関係を伴わないことが前提ですが、あわよくば関係を持ちたいと考えている男性もいます。
そのため、中には、パパ活をする女性と飲食等をしたのち、そのまま男性が運転する車に乗せて帰り道へ送ると見せかけて、ラブホテルに連れ込もうとする事案などがあります。
このように、相手の意思に反して性行為を強要したり、わいせつな行為を行ったりすると、刑法上の犯罪行為に該当することはもちろん、慰謝料が発生することになります。
慰謝料を請求するためには、加害者側の氏名や住所等の情報が必要となりますが、上記のようなパパ活の匿名性という観点から、そのような情報を収集することが難しく、泣き寝入りせざるを得ない場合もあります。
そのような事態を避けるためにも、パパ活を行うにあたっては、男性側の身分確認がしっかりとできている業者等を利用しましょう。
男性側から女性側への慰謝料請求
それでは、逆に男性側から女性側に慰謝料請求をすることができる場面はあるのでしょうか。
たとえば、男性側が既婚男性であった場合、直接男性側から、というわけではありませんが、男性の配偶者から不定慰謝料を請求される可能性があります。
一般的に、不貞行為とは、性行為を指しますので、肉体関係を伴わないパパ活では慰謝料請求をされるリスクは低いですが、肉体関係があれば、恋愛感情の有無を問わず、慰謝料を支払わなければならなくなるリスクが高まります。
慰謝料をめぐるトラブルに巻き込まれないようにするためには
以上のように、パパ活を行うにあたっては、男性側・女性側いずれも慰謝料請求をされるリスクがあることがわかりました。このようなトラブルに巻き込まれないようにするには、極論、パパ活をしないことが一番ですが、するとしても、密室で二人きりにならないようにする・相手の身元確認をしっかりするなどの対策をとりましょう。