離婚・慰謝料請求は可能?

最近では、ネットの出会い系サイトを使えば簡単に異性と出会って性関係を持つことも可能です。
もしも夫や妻が出会い系サイトを使っていたら、離婚や慰謝料請求できるのでしょうか?
今回は配偶者が出会い系サイトを使っている場合の対処方法を解説します。

1.出会い系サイトの利用で離婚できるケース

配偶者が出会い系サイトを利用している場合、それだけでは離婚原因にならない可能性があります。どのようなときに離婚できてどのようなときには離婚できないのか、見ていきましょう。

1-1.お互いが合意すれば離婚できる

日本では「協議離婚」や「調停離婚」ができます。これらの離婚方法の場合、夫婦が離婚に納得していれば離婚が成立します。
相手が出会い系サイトにはまっていて耐えられない場合、話し合いをして合意できれば協議離婚できますし、家庭裁判所で離婚調停を申し立てて相手が納得すれば調停離婚できます。

1-2.訴訟で離婚が認められるケース

話し合いで離婚できない場合、離婚訴訟を起こして離婚を認めてもらう必要があります。
配偶者が出会い系サイトを使っていて離婚できるのは、以下のような場合です。

配偶者が出会い系サイトの相手と性交渉をしている

訴訟で離婚が認められるには、単に出会い系サイトの相手と会ってデートしているだけでは足りません。「不貞」が成立している必要があります。
不貞とは、配偶者以外の人と性関係を持つことです。配偶者が出会い系サイトで出会った相手と性行為をしていれば「不貞」になるので訴訟によって離婚できます。

暴力を振るわれている、モラハラを受けている

配偶者から酷い暴力を受けていたり、日常的に侮辱されるなどのモラハラ行為をされていたりする場合にも訴訟で離婚が認められます。

家に帰ってこない

配偶者が出会い系サイトの女性にはまって家に帰ってこなくなった場合、出会い系サイトの相手と同棲した場合などには「悪意の遺棄」が成立して離婚が認められます。

2.出会い系サイトを利用していても離婚できないケース

配偶者が出会い系サイトを利用していても、以下のような場合には離婚は困難です。

  • 単に出会い系サイトで女性と会っているだけで性関係をもっていない
  • 出会い系サイトを利用しているが、実際には異性と会ったことがない

ただし日常的に暴力やモラハラ行為による被害を受けているなら、出会い系サイトとは無関係に離婚が認められる可能性もあります。

3.出会い系サイトの相手と「不貞」していたら慰謝料請求も可能

配偶者が出会い系サイトの相手と肉体関係をもって「不貞」しているなら、慰謝料請求もできます。不貞は民法上の「不法行為」になるからです。
不貞の慰謝料は、配偶者だけではなく不貞相手にも請求できますし、離婚せずに不貞相手のみに慰謝料請求することも可能です。

不貞慰謝料の相場は、離婚する場合には100~300万円程度となりますが、離婚しない場合には100万円以下となります。
夫婦の婚姻期間が長いほど、慰謝料の金額は高額化する傾向があります。

4.配偶者の出会い系サイト利用で離婚・慰謝料請求するために必要な証拠

配偶者が出会い系サイトを利用していて離婚や慰謝料請求をしたいなら、まずは「証拠」が必要です。配偶者と相手が肉体関係を持っている確実な証拠を集めましょう。
LINEのメッセージやメール、画像、動画やSNSの記録などが証拠となります。クレジットカードの明細書や領収証、相手のスケジュール帳やデータなども証拠にできる可能性があります。 配偶者が出会い系サイトの相手と会う時間や場所を予測できるなら、探偵を雇って尾行調査をするのも有効です。


夫や妻が出会い系サイトを利用していたらショックで動転してしまうでしょう。まずは気持ちを落ち着けてしっかりと証拠を集め、不利にならないように離婚や慰謝料請求などの対応を進めていきましょう。