相手が未成年だった場合

パパ活の当事者には未成年もいる?

 

パパ活とは、一般的に若い女性がその若さ自体や外見等を売りにして、男性とともに飲食等をして、その対価として金員の交付を受ける活動です。

 

そして、スマートフォンの普及などにより、インターネット上で他者と繋がることが容易になっている現代では、非常に手軽にパパ活を始めることが可能です。

 

そのため、パパ活をしている女性には、未成年(10代)の女性も多くいます。上記のとおり、パパ活をする女性は若い女性が多く、その7割が10代・20代で占められているとも言われます。

 パパ活は、定義的には性的関係を伴わないものを指しますが、実際には性的関係を求められることも多いようです。

 

それでは、パパ活で知り合った女性が未成年者であった場合、刑事上どのような問題が発生するのでしょうか。また、その女性と性的な関係をもってしまった場合はどうでしょうか。以下、検討していきます。

強制わいせつ罪、強制性交罪

 

パパ活をする女性は、上記のとおり、一般的には飲食等をする対価として金銭を稼ぐこと目的としているため、女性側が「パパ」と性交渉をすることを望んでいることはまずありません(性交渉をして、その対価を得るのであればそれはパパ活ではなく売春です)。

 

そのような女性に対し、強引にわいせつな行為や性交渉をした場合、次の犯罪にあたる場合があります。13歳未満の者に対しては、「暴行又は脅迫」が要件として不要となっていることに留意が必要です。



強制わいせつ

刑法第百七十六条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。



強制性交等

刑法第百七十七条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、門性交又は口性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。


淫行条例違反による罰則

淫行条例とは、日本の地方自治体の定める青少年保護育成条例の中にある、青少年(既婚者を除く18歳未満の男女)との「淫行」「みだらな性行為」「わいせつな行為」「みだらな性交」また「前項の行為(=「淫行」など)を教え・見せる行為」などを規制する条文の通称です。

 

たとえば、東京都の青少年健全育成条例では、青少年と淫行をした者に対し、2年以下の懲役または100万円以下の罰金を科しています。

児童買春罪

「児童買春」とは、児童に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいいます。

 

児童買春をした者は、下記のとおり罰せられます。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律


児童買春

第四条 児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。