【事例紹介】反社会的勢力との関わりを匂わせる社長と退職の交渉を行ったケース

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本日は、社長が反社会的勢力との関わりを匂わせており、怖くて退職ができないという方から依頼を受けたケースについてお話をいたします。

今までも社長や上司が怖くて退職ができないというご相談はよくあることです。

そういったケースの中には、社長や上司がヤクザや半グレなどの反社会的勢力との関わりを匂わせるケースもございます。

もっとも今までのケースはご依頼者様が1名であったのですが、本日のお話は依頼者が10名近くいた事案でした。弊所でも一度にこれだけ多くの方の退職交渉をお受けしたことはありませんでした。

お話を伺うと、社長は普段からヤクザと付き合いのあるようなことを話しているほか、雇用条件や退職の話をしようとすると、あからさまに態度が変わり、威嚇するような話し方になるということでした。

全員が怖くて退職を言い出せなかったのですが、一人の方が立ち上がり全員の代表として弊所に相談にいらっしゃいました。

社長の素性が分からないところもあったため、すぐに依頼をお受けし、着手することになりました。

通常ですと、書面や電話で当職が代理人に就いたことを会社に連絡し、退職の意向を伝えるとともに、その後の手続については弊所が代理人として行うこと、会社から何らかの請求があるのであれば窓口となって対応する旨伝えます。

ですが、本件の場合は若干特殊で、書面や電話での方法では社長のリアクションが見えないから怖い、できれば話し合いの場に同席して、その場で社長に退職を了承させたいというご要望がございました。

そのため、代表の方が社長にアポイントを取り、その場に当職が同席するという話になりました。ただ、弁護士が来るという話をしたら警戒して来ないことも予想できるとの話があったため、代表の方がまずは話し合いの場である喫茶店に向かい、社長が来たことを確認して当職をラインで呼びだす、という方法を取ることにしました。

話し合いの場に向かうと、既に社長は席についているようでしたが一人ではなく、強面の男性が席におりました。

代表の方は相当緊張しておりましたが、一人で席に向かい、社長と強面の男性との話し合いを始めた段階で当職をラインで呼びだしました。

当職が話し合いの席に着くと、社長と強面の男性が私を睨みながら「誰」とだけ言いました。そのため、名刺を渡したうえで、当職が代理人であり退職の交渉について依頼を受けていること、依頼者は他にも複数名いること、今後の連絡は全て当職が窓口となることを伝えました。

そのまま席に座り、退職の段取りなどについて話をしようとしたのですが、社長と強面の男性は一方的に話を切り上げ「じゃあ、こちらも弁護士立てるから」と言い残して、さっさと出て行ってしまいました。

十分な話し合いもできず、かなり緊迫した雰囲気だったため、代表の方は、この後、拉致されてしまうのではないかと不安になっておりました。

そのため、その足でまずは地元の警察署に現状を話して、いつでも対応してもらえるようにしておくことを指示し、緊急事態の際には警察と既に教えてあった当職の携帯電話に連絡するよう伝えました。

また、社長が関わりあると思われる反社会的勢力の縄張りとされるエリアには近づかないこと、夜間は可能な限り複数名で行動することなどをお伝えしました。

その後、必要な警戒をしながら、相手方からのリアクションを待っておりましたが、物理的な攻撃や揺さぶり行為をかけられることはなく、意外にも弁護士を立てて連絡をしてきました。

ここから先は弁護士間のやり取りになりましたが、当初予想していたような大きな負担を負わされるといったようなことはなく、全員がスムーズに退職することができました。

雇用関係においては住所などの個人情報が押さえられていることから、なかなか怖くて退職をはじめとする要望を言い出せないというご相談を多くお受けします。一度弁護士に相談してみるといいかもしれません。