【解説】「盗撮準備行為」での逮捕や不当要求について

令和4年6月7日,広島県の遊戯施設で、女性のスカートの中に携帯電話を向けたとして、40代の男が逮捕されたという報道がありました。
今回の記事では、盗撮や盗撮準備行為で逮捕されてしまった場合の対処法や、盗撮や盗撮準備行為を第三者に発見され脅されてしまった場合の対処法を,代表弁護士 若井 亮が解説します。

県の迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されたのは、岡山市の会社員の男(46)です。
警察によりますと、男は、7日午後0時半ころ、福山市春日町の遊技施設で20代の女性のスカート内にスマートフォンを向けた、「盗撮準備行為」の疑いがもたれています。
調べに対して男は、「そんなことは知りませんし、全く分かりません」と容疑を否認しているということです。
警察は、歩いていた女性の後ろからスマートフォンを向ける男の姿が、店内の防犯カメラで確認されたとしています。
今月、改正施行された県迷惑防止条例では、盗撮を目的にカメラを向けたり、設置したりする「盗撮準備行為」を新たに規制しました。
広島県警によりますと、これが適用され、逮捕されるケースは初めてだということです。
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/bbfa914572224836f9eb24687eefb8d0bb52b06b

1、盗撮や盗撮準備行為はどのような罪に問われるのか

「公共の場所や乗り物」「会社や学校・タクシー車内など不特定または多数の人が利用する場所や乗り物の中」といった「準公共空間」や、「個人宅」など「私的空間」での盗撮行為や盗撮準備行為は,各都道府県ごとによりますが,取り締まり対象です。

盗撮事件の罰則(法定刑)

盗撮事件に関する罰則については,各都道府県によって異なります。
ここでは,代表的な都道府県や弊所の解決実績に基づく都道府県の罰則を簡単に記載いたします。
いずれも,住居侵入罪が成立する場合には,3年以下の懲役または10万円以下の罰金となるケースもあります。

東京都(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)
常習でない場合
1年以下の懲役または100万円以下の罰金
常習の場合
2年以下の懲役または100万円以下の罰金

神奈川県
(迷惑行為防止条例)
常習でない場合
1年以下の懲役または100万円以下の罰金
常習の場合
2年以下の懲役または100万円以下の罰金

埼玉県
(迷惑行為防止条例)
常習でない場合
6月以下の懲役または50万円以下の罰金
常習の場合
1年以下の懲役または100万円以下の罰金

千葉県
(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)
常習でない場合
6月以下の懲役または50万円以下の罰金
常習の場合
1年以下の懲役または100万円以下の罰金

群馬県
(迷惑行為防止条例)
常習でない場合
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
常習の場合
2年以下の懲役又は100万円以下の罰金

参考①:福岡県
参考②:長野県

2、盗撮や盗撮準備行為をしてしまった場合,どのような事が待っているのか?

・現行犯逮捕
盗撮が発覚し,その場で逮捕された場合、最大で23日間の間,身体を拘束されてしまいます。

・後日(通常)逮捕
被害届の提出等で警察が事件への捜査を進め、犯人が分かった段階で裁判官に逮捕状を請求し,自宅や会社等に令状を持って訪れるケースが多いです。
・第三者からの脅しを受ける
逮捕は警察等の機関によって適正な手続きのもと行われますが,昨今では「盗撮ハンター」など,「警察に言われたくなければ金を払え」等,不当に金銭を請求されるケースも増えています。

3、逮捕されてしまった場合や脅されてしまった場合の対処法

逮捕されてしまった場合
・弁護士を通じて被害者へ連絡を取り示談交渉を速やかに行う
第三者から脅されてしまった場合
・弁護士を通じて第三者からの不当な要求を回避する
いわゆる「盗撮ハンター」への対処法はこちらの記事をご覧ください。

【事例紹介】「盗撮ハンター」による不当要求被害

まとめ
盗撮や盗撮準備行為をしてしまい,第三者から不当に示談金等の名目で金銭を要求されたときや,ご家族が逮捕されてしまった場合は,すぐに弁護士にご相談ください。
気が動転している中でのご連絡は難しいかもしれませんが,いち早い対応が事件解決への鍵となります。
弊所では緊急状況にある方のご相談に可能な限り迅速に対応できるよう、担当弁護士の直通番号を掲載しているほか、24時間体制での電話法律相談の受付、LINEでの法律相談をお受けしております。

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